遺影について

遺影は地味な存在だと思われるでしょうが、実は葬儀の雰囲気を決定するほど重要なアイテムです。例えば生前の立派な業績が偲ばれる故人であれば、遺影もそれなりの風格を醸し出しています。立派な遺影の多くはプロのカメラマンの手によるものであり、故人の近親者から生前の人柄、足跡等を聞き出した上で撮影したものです。ですから非常に力強い写真が葬儀の場で使われるケースがほとんどです。葬儀業者としては細部まで口を出すわけにはいきませんが、葬儀に合った写真を勧めることがあります。喪主が故人の写真を沢山所有している場合は難なく選定することも出来ますが、高齢まで生きた故人の写真は若い頃のものがほとんどで、カラー写真が存在しないケースもあります。典型的な例は、免許証くらいしか残っていないというケースです。写真撮影を趣味とする高齢者は意外に多いのですが、ポートレートとなると話は違ってくるようで、生前に残していない人も多いのです。ですから葬儀に関心のある方は、是非生前に記念写真を残しておいてください。不自然な時期に撮影する必要はありません。古希、米寿といった節目の年に記念撮影するだけで十分です。自分のために撮影するのが照れ臭い人は、子供や孫の写真に入る時に相応の表情で写り込むのも手です。その写真から自分の顔だけ切り取り、ポートレートとして使用することも可能だからです。因みに葬儀の事前相談に来られる方が本人で、且つ高齢女性の場合、数十年前の写真を所望されることがあります。喪主や近親者としては馬鹿げた話だと思われるかもしれませんが、本人は至って真面目にお話しされます。葬儀業者としてはそうした希望を無下にせず、リクエスト通りの遺影を提供したいと考えるものです。

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